1944年に作られた映画です。
途中の三十分だけ見ました。
戦中(もちろん太平洋戦争)に作られた戦意高揚のためのドキュメンタリー映画であります。
1940年に制定された加藤隼戦闘隊、加藤建夫少佐の活躍を描いた作品です。
フィルムの画質はこの当時のフィルムとしては良い方でしょう。
ただ話としては最近のドラマちっくなドキュメンタリーになれた身には退屈なもので、盛り上がりに欠ける感じがして途中で見るのを辞めてしまいました。
まあ、最後まで見ないで言うのも無責任ですが…。
ただ見どころは円谷英二による特撮シーンでした。
白黒・古いフィルムという悪条件が当時の特撮技術には良くマッチしているのか、良く溶けこんでどこが特撮シーンかわからない位でした。
もちろん、良く見ればわかるのですがレベルは思っている以上に高かったです。
初期ゴジラもそうですが、粗悪な画質がかえって想像力を高めてくれるのですね。
最近のCG満載の映画と比べて(ストーリー展開はともかく)戦闘シーンの臨場感では引けを取らないと思いました。
戦後米軍が、戦場で実際撮った記録映画であるとして接収していったというのもうなずけます。
この当時に作られた映画としては以前、やり手で志の高い芝居小屋の座長と才能の有る若い役者の師弟愛を描いた「芝居道」と言う映画を見ました。
これが結構面白い。
芝居をする人間なのでそう感情移入したためかも知れませんが、一人一人キャラが良く立っていて展開も良かった。
時節柄あまり批判的なことも書けないでしょうに、それを感じさせないお話でした。
「お客さまが本当に見たいものを一心に考えてそれを追い求めていくのが芝居者の生き方。儲けは二の次三の次。」というテーマは今にも通じる芝居者の永遠の真理の一つですね。
二つを比較するとそれぞれに味が有り、甲乙は付け難いです。
好みで言えば「芝居道」ですが、「加藤隼戦闘隊」の特撮は圧巻です。
戦中の映画は戦意高揚のためのプロパガンダが中心、内容は薄いと言うのは思い込みだったというのを思い知りました。
制約が有るなりに、その時の持てるものをギリギリまで出して作られた作品達なんだと思いました。
0 件のコメント:
コメントを投稿