2008年7月22日火曜日

共産党のマーケティング

今日、TVタックルを見ていたら共産党の話題が出た。
党員40万人。
政党助成金無しでやりくりする数少ない政党の一つで、自社ビルまで持っているが全て党員の寄付や党費で賄っている。

これは、つまり多くの顧客によって経営が成立している施設と一緒だ。

では彼らはなにを持って顧客を獲得しつなぎとめているんだろうか。

1つには赤旗の存在があろう。
公的に販売されている政党の広報媒体であれだけ強いものは、公明党の聖教新聞ぐらいだ。しかも後者は本来宗派の媒体であって政治専門の媒体ではない。

もう一つには「理想」の存在があるだろう。
これは公明党も一緒だが、他の政党はその時その時の状況で「理想」を口にすることはあるが、継続的かつわかりやすい「理想」を何らかの形で提示できているのは共産党と公明党だけではないだろうか。
共産党が掲げる理想は「共産主義が本来目指した理想世界の実現」であり、それは赤旗にも、ポスターや広報誌にも、議員の言動にも色々な形で主張されている。

前者は施設が顧客に送るメッセージ媒体であり、例えばメルマガやDM、ニュースレター。
後者は施設が顧客を満足させるために用意する物語=こだわり。

ビデオの冒頭大竹まこと氏が共産党党本部を「資本主義の象徴」と表現していたが、これは言いえて妙だ。
共産党の今があるのは、マルクス共産主義の力ではなく、それを日本の風土に合わせて噛み砕き、誤解を招きやすいからこそその表現に心を砕き、見直しし、常に顧客の立場で主張し、それを党員や支持者にフィードバックし、・・・というマーケティング戦略の結果であると言えるだろう。

これは共産主義という極めて売りにくい商品を売るためであったと思える。
例えばちょっとしたおまけ(1票いくらのお礼金)ではどうしようも無かったからこそ、マーケティング戦略が高度に発達したのではないだろうか。
出演していた民主党や自民党の議員は「いやーうちは自社ビルじゃないし(笑)」、「うちも本部はボロボロで...。こんなんが政権与党やっちゃだめだよね。(笑)」と卑下しつつ馬鹿にしているような発言をしていたが、創業400年近い経営が傾いた老舗の経営者が、楽天で地域No.1に輝いた隣の小さい旅館に同じようなことを言っていたのを思い出す。

あ、ところで。
誤解が無いよう、私は政治的にはニュートラルです。