2011年1月2日日曜日

鋼の錬金術師 最終巻 読了

ずっと立ち読みで済ませて来たが、最終話は異例の2回掲載(最初に掲載された号があっという間に売り切れたため、翌月号にも同じ内容が掲載された。)であったにも関わらず、結局立ち読みすること能わず、最終巻が発売されるに至ってつい買ってしまった。

人間としてはそれでいいのだと思いつつ、物要りの時期に衝動買いしてしまうのは大人としてどうなのかと悩みつつ、読了。

とても良い。「鋼の錬金術師」らしいクライマックスと結末だった。
「鋼の錬金術師」の良さは、圧倒的な才能とパワーを持ったヒーローが、レベルアップの末これまた圧倒的なパワーを持つボスキャラをやっつける…というありがちなストーリーっぽい流れを使いながら、実は、主人公を中心的な存在としつつも、とっても魅力的でとっても多種多様なキャラクター達が互いに相互作用しながら(それも必ずしも主人公を結合点とせずに)膨大な流れを織りなす点を、きちんと描いてる点と、

大人の都合や物語世界のルールなどのしがらみに対し、少年時代特有の真っ直ぐさで立ち向かう姿を肯定的に描いている点であると、

個人的には思っております。
そしてなにより、少年達の成長をきちんと描いている点が良い。

例えば、ドラゴンボールではは 極論すれば、ボスキャラ退治の場面では、元気玉以外、他の登場人物の存在価値は無い。
ONE PIECEでは、他の登場人物は極めて重要だが、ルフィはどこまで行ってもルフィであり、成長と言うか変化は余り感じない。
HUNTER×HUNTERは方向的には比較的近いように思うが、世界のルールに則る部分が強く、それに背こうとするのが、主人公とボスキャラ位しかいないため、相互作用は弱い。

TV版は、原作よりややペシミスティクと言うか、世界の閉塞感に引きずられていた気がしている。
あの時点ではベストな解だったかもしれないが、「鋼…」らしくは無い気がしていた。

以上、あくまで私の主観。 だからダメと言うわけではなくて、力点が違えば、魅力も違って来るという話。

立場もあるが、父親と息子のシーンなどはやはり感情移入してしまいますな。

荒川先生お疲れ様でした。
最終巻だけでごめんなさい。