2022年6月26日日曜日

発達障害者の出てくる物語

 発達障害者が出てくるお話が昨今多いが、それらに出てくる発達障害者の有り様・役柄には以下の4タイプのいずれか、もしくはいくつかの組み合わせが多いように思う。

  • 敵 害意がある、もしくは害意はないが実害がある存在。
  • 怪物 実害はないが迷惑な存在で、混乱や波乱の元凶となる存在。
  • 天才 人並み外れた感性や技能・才覚を持つ存在。
  • 愛玩物 才能はないけど素朴だったり素直だったり可愛い存在。
これらにはまらない、例えば私のような「害は少なくあまり迷惑じゃないが、でもまあ面倒くさくて、才はなくかわいくないキモいおっさん」などには、物語上での出番は少ない。
出番があったとしてもメインストーリーではなく賑やかし、フレーバー、モブとしてで、仮にメインになることがある場合は「そういうあまり面白みのない存在が、何らかの出来事をきっかけに、4つのいずれかに変わる。」物語として構成されている様に思う。

物語の構成パターンは以下の2パターンが多い。
  • 敵や怪物の発達障害者がちょっと変わることでみんなに受け入れられる。
  • 天才や愛玩物の魅力が知れ渡り、そのままでいることをみんなに認められる。
この展開は、よく考えると共存の物語ではなく、許容と従属の物語だ。しかし、発達障害を持たない多くの人にとっては、この辺のラインが、発達障害を自分ごととして受け入れられるぎりぎりのラインということなのかも知れない。

上記四つの役柄と二つの展開を意識して、わかりやすく構成した物語ほど、話題になり、人気を博してるように思う。
もちろん世の中には、それらから離れた存在や展開で物語を構成しようとしてる作品はあると思うが、寡聞にして知らない。強いて挙げればつげ義春の『無能の人』とかだろうか。でも、知る人ぞ知るという作品だと思う。

私も頑張ろう(棒)。