ある意味「華氏451度」の世界にも通じるディストピアで表現の自由と言うか閲覧の自由を守るために戦う人々の話。
先にアニメを観てしまってるので大凡のお話はわかっているのだが、それでも面白く読んだ。
アニメを観てた時はあまり感じなかったし、サラッと読む分には青春物とか戦闘物の色合いを強く感じ、ワクワクしながら物語やアクションを楽しむ感じだったのだが、じっくり読むとどうにも気が重くなる世界観だ。
もちろん現実に銃を打ち合うような事件は現代日本ではほぼ起こっていないわけだが、メディア良化法的な方向性は随所で動いているわけで(昨年取り沙汰された放送法の解釈問題なんかはその典型)、むしろ明確に自由を守るための動きが見えにくいだけ、現実のほうがディストピアと言えないこともない。
(すくなくとも、私が主人公らと同じぐらいの年頃には、日本がそんな風になるなんてフィクションの中だけと安穏としていたのだ。)
ともあれ、この物語の中でも描かれている「自由を奪うものは正義を語りがち」であるとか「正義を語るものは手段を選ばなくなりがち」であるとか「自由を守るためには言葉だけでは足りない」であるとか、そうした視点はとても大事なものだとつくづく思う。
…というような説教的なことを抜きにしてもわくわくする作品。たぶんもっと若いときに読んでいたらたぶん感じ方もまた違ったのではないかと思う。
もう主人公たちより稲嶺司令の方が近いんだよなあ…。たぶん。
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