2016年10月2日日曜日

イクメンオタクというターゲット アニメ 「甘々と稲妻」

『甘々と稲妻』と言うアニメを見た。
娘を男手一つで育てるある教師が、ふとしたキッカケから料理に目覚めて…と言う話で、毎回料理を作って食べるという話。
原作はgood!アフタヌーンに連載中らしいのだけど、面白かった。

料理作る漫画というのは、良い漫画ほどそれを作ってみたくなるものと、思ってるのだけど、このアニメも見ていて作りてーなーと思ってしまった。
『きのう何食べた?』も作りたくなる漫画という意味では同類か。

だがそれプラス、このアニメ(おそらく原作でも)では、ターゲットをイクメンなオタクに絞ってるのではないだろうかという気がした。
 イクメンとオタク。
ともすれば対置されるキーワードのように感じるが、昨今はそうでもないんじゃないかという気もしている。
自分をイクメンと位置づけているオタク趣味の人間はそこそこいるだろうと思うし、そういった人を狙った作品を打ち出すというのは、少なくとも製作的にはあながち間違いでもないように思う。
独身男が親戚の子を引き取って育てる『うさぎドロップ』の場合は、原作後半になると恋愛的な色が出てくるが、アニメ化された前半辺りは、なんとなくだが同じターゲット層を狙った作品になっていたように感じる。あれ、良い辺りで終わったのではなかろうか。
漫画だと『プロチチ』は外せない。
発達障害の父の子育て話だが、結果的にはオタク的イクメンに響く内容になっている様に思う。
(子育てテーマでも『おおかみこどもの雨と雪』とか『バケモノの子』とかだと男の子育てに対する古くからの「男は背中で語る」的な幻想が強くてターゲットは違ってる様に思う。つうか育児らしい育児してねえし。)

実はこのターゲットには少し前に類型があった。
「家事が得意な男の子」だ。
ぱっと思いついたのは『青の祓魔師』とか『とらドラ!』。
どちらも、どちらかと言えば粗野な感じの主人公が実はご飯作り等に繊細さを発揮するというギャップ表現になっているが、おそらくベースにそれはそれでしっくり来ると言う感覚はあったろうと思われる。

これが二十年くらい前だと、料理が出来る男はすごいプロ級の腕だったり、とにかくこだわりの人として描かれてたりしたのだが、(『美味しんぼ』とか『ミスター味っ子』なんかもそうか。あ、でも『クッキングパパ』はイクメンの系譜か。)昨今の料理好き男子は弁当作ったりちょっとした家庭料理作ったりが得意として描かれることが多くなったような気がする。
もっと昔には「男子厨房に入ろう会」なんてサークルがわざわざあったくらいだから、男の料理に対するイメージの変化、年月の流れを感じる。

話がそれた。
今、高校生や大学生の子供がいる世代は、小中学生の頃にガンダムブームがあったわけで、オタクの走りの世代なのだから、そこに響く話を…と考えれば当然の話なのかもしれない。
だがこの傾向、もっと進むと嫁姑戦争の話などを扱った話などが出てくるようになるということだろうか。
そんな作品、見たいような見たくないような…。

(ところでイクメンストーリーの子供に女の子が多いのは、やっぱりその方がドラマ性があるからなんだろうな。男の子を育てるイクメンでドラマ性を持たせるのはなかなか難しそう…。)

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